May.23.2012 吐噶喇列島1 口之島・中之島・平島・諏訪之瀬島・悪石島 Tokara Islands 1


吐噶喇(トカラ)列島は、九州から奄美大島の間に連なる火山列島。7つの有人島に621人(平成24年8月現在)が暮らします。


吐噶喇列島は、全域が鹿児島県鹿児島郡十島村に属します。すべての有人島は、人口100名程度の小さな島。航空便は無く、週約2便の十島村営フェリーの、「フェリーとしま」が 唯一の足となっています。


船は、住民の足であり、生活物資を運ぶライフラインですが、稀に乗る観光客向け(あとは島出身者の帰省先のお土産用ですかね)に、吐噶喇の名産品も販売しています。


鹿児島港を23時30分に出航、深夜のフェリーは、食堂ラウンジでのんびり語らう乗客を、離島へと運びます。


夜が明けると、吐噶喇列島最初の島、口之島。口之島から悪石島までの各島は、海底火山の山頂が海面に顔を出した急峻な火山の島です。


人口122人の小さな島の住民が、船の到着に合わせ港に集まってきます。今日のこの便は、年一度の住民健康診断便。各島に2時間前後停泊し、船に積まれた移動診察車を降ろし、同行する医師・看護師が診察をするという便です。


健康診断が行われている間下船し、自転車で島を散策します。


港からはひたすらに登り坂、尾根の部分から続く展望台から島を見下ろします。



急峻な斜面を段々畑にして、僅かな土地を耕地にしています。


島の中心の集落。港とは反対側の斜面に位置します。木造平屋にトタン屋根が特徴的です。



島唯一の売店。


診療所に郵便局。島民のライフラインで欠かすことの出来ないものです。このような僻地にもある郵便局は、当然赤字でしょうから、仮に郵政の完全な民営化をしたとすれば、ここを閉鎖することも止められないでしょう。株主利益の最大化という観点からは、閉鎖しないことが取締役の善管注意義務違反とさえ言えるかもしれません。しかし、ユニバーサルサービスを提供すべき基礎的なインフラのあり方としては、それは望ましいとは言えないでしょう。ここに、基礎インフラの完全民営化の構造的な問題が見えてきます。


ここは北緯30度線の通る島。北緯30度線以南の南西諸島は、1946年、GHQにより日本から分離されました。1952年に吐噶喇列島が本土復帰を果たすまで、この島は分断の最前線でした。


口之島を離れ、次は、吐噶喇列島の主島中之島。人口138人、1956年、村役場が鹿児島市に移転するまで、村役場があり、2008年までは支所が置かれていた、実質的な村の中心地です。なお、十島村は広範囲に連なる列島を行政区域としている関係で、フェリーの起点である鹿児島市に村役場が置かれている(つまり役場が他の市町村にある)珍しい村です。



中之島の集落は、港に沿った平地にあります。


中之島郵便局。


十島村立中之島小中学校。離島の学校は、生徒数に対して設備は立派です。


火山の島ですので、温泉が湧きます。


海岸線から、島の斜面を登る道、亜熱帯のジャングルです。


急斜面を海面から200mほど登ると、広大な平地が広がります。


平地は、トカラ馬の放牧地となっています。


トカラ馬は、西洋馬と交雑すること無く残った、日本古来の馬です。現在128頭しか生息しておらず、鹿児島県の天然記念物になっています。


中之島を出ると、次は平島。その名は、平家の落人伝説に由来するもので、急峻な火山の島です。



港から100m登った山の上に、集落があります。人口66人。





本土と異なる形のお墓が見られます。




平島を出ると、次は諏訪之瀬島。吐噶喇列島で最も活動の激しい火山で、常に噴煙をあげています。面積は大きいものの、島のほとんどの場所は立入禁止になっており、人口は少なく61人です。



この船には、健康診断の医師・看護師だけでなく、電力会社、消防署、教育委員会、県庁の地域振興課の方なども乗船しており、各島で設備の点検や視察を行なっていました。



人口の少ない諏訪之瀬島の小中学校は、平島小中学校の分校という扱いです。平成21年10月時点で、小学生5人、中学生1人の全校生徒6名ということです。



生徒数の少ない分校ですが、立派な校舎に体育館があります。


諏訪之瀬島には、村営の滑走路があります。法的には航空法上の飛行場ではなく、場外着陸場という扱いのようです。定期便はありません。


諏訪之瀬島を出ると、次は本日最後の島、悪石島です。悪石島は2009年7月22日、皆既日食が国内で最も長く見られる場所として脚光を浴びました。高額のツアー代と、当日の悪天候で、太陽を見ることが出来なかった残念さが話題になったので、名前を記憶している人もいるでしょう。



悪石島は、急峻な吐噶喇の島でも特に急峻で、港から集落までの僅かな距離に、標高差が200mあります。




日食時にテント村となった小中学校の広い校庭。



悪石島には温泉がいくつかあるのですが、中でもいちばん豪快なのがこの海中温泉。


温泉マークのあたりにかつては石で囲った浴槽があったようですが、台風で破壊されそのままになっています。


さすがに海中温泉は厳しいという人にも、ちゃんとした温泉施設はあります。


男風呂は、このような露天風呂になっています。道から丸見えのワイルドな温泉です。


今日はこの悪石島で停泊。食堂では各グループが持ち込んだ食材で夕食を食べていました。自転車で各島の急坂を喘ぎながら走っているのが大変目立っていたようで、皆さん声をかけてくださり、食材のお裾分けをして頂けたりしました。船旅というのは、こういうところも楽しいですね。


明朝は7時半に出航、残る小宝島、宝島を経由し、奄美大島名瀬港へ向かいます。

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