Feb.28.2013 プンタ・アレーナス Punta Arenas


プンタ・アレーナスは、アラスカから続くアメリカ大陸という一つの陸塊の、最も南に位置する町です。


行政区域としては、チリが領有権を主張する、南極地域と同一。人口約12万。南部パタゴニア最大の都市で、マガジャネス及びチリ領南極州の州都です。


目の前にはマゼラン海峡。「新大陸」の「発見」から、パナマ運河の開通まで、大西洋と太平洋を結ぶ最短経路で、物流の大動脈だった海峡です。


マゼランの像。足元には征服された先住民の姿。既に先住民は絶滅しており、この像はその残酷な力関係を如実に表しています。


かつての繁栄の名残でしょう、中心部には立派なコロニアルな建築が残り、美しい街並みを見せます。





私がこの町の名前を始めて知ったのは小学生の時、椎名誠氏の『パタゴニア あるいは風とたんぽぽの物語』という著書を読んだ時でした。日本から遠く離れた地球の裏側、世界の果てに町があり、人々が生活している。その事が、パタゴニアという名前とともに、私の中に強く印象に残りました。この更に南、フエゴ島にあるウシュアイアという町の名前を知ったのは随分と後になってからのことだったので、私の中では、プンタ・アレーナスという名前が、世界の果てと同義で、長く強い憧れを抱かせる名前でした。

思えば、私がこの様に、世界を旅したいと思う様になった原点も、この本にあるのかも知れません。中学受験の参考図書として、椎名誠氏『岳物語』が紹介されていて、それを読み始めてから、旅行作家の氏の本を読む様になり、その初めに読んだのが『パタゴニア』だったと思います。

氏が訪れてから30年、日本円は強くなり、航空運賃は下がり、今では多くの日本人旅行者が訪れるようになりました。また、デジタルカメラで即時に配信できる形で生の映像を記録し、インターネットで配信できるようになり、日本に居ながらにして容易にその様子を知れる様になりました。現にこうして、日本に居ながら私の中ブログを見てくださっている皆さんは、ほぼリアルタイムの現地の様子を御覧になっているわけです。

その様な情報過多の現在では、私の撮ったこれらの写真は、かつて私が文庫本の挿絵に見た数枚の写真の様に、強い印象と少なからぬ人生的影響を与えることは無いのでしょう。また、私が旅行者としてこの地に立っていることも、特別な意味は無いのでしょう。ただ、それでも私にとって、この地に立てた事は、一つ特別なものです。



プンタ・アレーナスの観光の目玉と言えば、ペンギン。マゼラン海峡に浮かぶ島、マグダレナ島まで、ペンギンたちのコロニーを見に行ってきました。









島までは、往復4時間。島自体は、さほど大きな島ではないのですが、島中に無数のペンギンの巣があり、おびただしい数のペンギンたちが佇んでいます。島の滞在時間は1時間、海峡を吹き抜ける風が強く吹き付け、かなり寒いので、十分でした。


ツアー代は28000ペソ≒5600円と結構高いですが、これだけの数の野生のペンギンに、間近で会える物としては悪くないでしょう。マゼラン海峡を船で航行できるという点も悪くありません。ちなみに、オトウェイ湾の営巣地ならば15000ペソ≒3000円でツアーが出ていました。規模はマグダネラ島の方が大きいそうです。


夕飯は、市場で買ったサーモンをお刺身に。キロ5500ペソ≒1100円と、プエルト・モンの倍以上しましたが、それでもこの量で4000ペソ≒800円なので、安いです。

もう二月もおしまいですね。バンクーバーを出てからもう三ヶ月近く経つわけですから、早いものです。

Feb.27.2013 晴れのパイネ国立公園 Torres del Paine

※クリックすればパノラマ写真になります。
前日のではあまりに残念だったので、もう一度行ってきました、パイネ国立公園。一言で言えば天気次第ということですね。今日は見事に晴天、絶景の連続でした。








歩いたルートは、バスの通る車道を、終点の管理事務所から、大滝まで。コンドル展望台に登るのも含めて6時間程度でした。トレッキングルートではないので、ここを歩く人は殆どいませんが、一番の絶景ルートではないかと思います。パノラマ写真はコンドル展望台からのもので、パノラマ写真にすら収まり切らない、360度の見事な展望です。もっとも、登山口が極めてわかりにくい(というか山火事のせいか道が途切れてわからなくなっている)ので、行く際は要注意です。

ちなみに、入園料は、前日出るときに、事務所でスタンプ押してもらえれば、3日間有効になるので、再度払う必要はありません。このルートなら、プエルト・ナタレスからの往復バスチケット以外の費用もかかりません。

さて、パイネは満足したので、明日はプンタ・アレーナスに向かいます。いよいよアメリカ大陸最南端の町です。

Feb.26.2013 雨のパイネ国立公園 Torres del Paine in rain


パイネ国立公園は、プエルト・ナタレスから120kmくらいにある、世界遺産にも指定される自然公園。それは大変美しい風景の中、快適なトレッキングをしてきました…のはずでしたが、朝起きると曇天、パイネに着くやぱらつく雨、厚い雲が霧となり、視界を奪い、歩けど歩けど何も見えない、そんなパイネトレッキングでした。


一応日帰りで目指せる目的地の展望台。これでも、私が到着したタイミングだけ池全体が見通せ、十分もすればまた全てで霧の中でした。本当は、この霧の向こうにパイネのシンボルの三本の岩山があるはずでした。


下るときになって、ようやく天候は回復傾向になり、一応見通しが効く状態。


公園入口のバス乗り場まで戻った時に、ようやくパイネの山の姿が。

とまあ、こんな残念なトレッキングで、プエルト・ナタレスからのバス代往復10000ペソ≒2000円と、国立公園入園料18000ペソ≒3600円、公園入口から登山口までのバス代片道2500ペソ≒500円とかかったことを考えると、まあ失敗したなという感じです。ただまあ、下り道で、ウクライナ出身とグルジア出身でオランダ在住の夫婦と話が弾んて仲良くなれたのはとても楽しかったので、悪いことばかりではないですね。

とりあえず、教訓としては、トレッキングに行くなら天気予報を入念にチェックせよということですね。

Feb.25,28.2013 プエルト・ナタレス Puerto Natales


プエルト・ナタレスは南緯52度、チリ領パタゴニア南部の、人口2万足らずの港町です。








ここは、パイネ国立公園の玄関となる町。ツーリストも多く、特にトレッキング関連のお店が目に付きます。


チリ主要部から遠く離れたパタゴニアでは、物資も主要部からの輸送に頼るため、値段も多少割高です。もっとも、一割から二割程度なので、恐れていたほど高い訳ではありませんでした。トレッキング用に買う人が多いのでしょう、スーパーの缶詰のコーナーが充実しています。


港町なので、魚介も売っているかと思いきや、スーパーでは売っていません。これはビーニャやプエルト・モンでもそうでしたが、何故かチリのスーパーでは、生魚は扱わないのです。魚介は、あってせいぜい冷凍サーモンくらいのもの。これはちょっと不思議です。写真は露天の乾燥魚介売り場。


魚を買うことが出来なかったので、船で一緒だった面々とレストランへ。サーモンのグリル、マッシュルームソース4000ペソ≒800円。ソースはあんかけ風。サーモンもいい味でした。

明日はパイネに行ってきます。

Feb.22-25.2013 フィヨルドクルーズ3泊4日 Navimag Ferry


プエルト・モンから、南緯50度のパタゴニアの町、プエルト・ナタレスまで約2000km、三泊四日の船旅です。


プエルト・モン以南のチリはフィヨルド地帯。海岸線が非常に入り組み、陸地はアンデス山脈がそのまま海に落ち込む急峻な地形で、陸上交通は十分に整備されていません。その代わり、フィヨルド地帯を縫うように航行するフェリーが運行されています。



フェリーは、クルーズと言いましたが、貨物や自動車も運ぶ貨客船。大きさも三泊四日で海を航行すると考えれば大きくはありません。


プエルト・モン出港時には、生憎の雨。ここから、プエルト・ナタレスまでまともな町はありません。


二日目からは、フィヨルド地帯の狭い海峡を航行します。海といっても、両側に山が迫り、まるで川か湖を航行しているようです。



水面も鏡のようで、全く揺れません。


航路上、二日目の夕方から一旦外洋に出ます。外洋に出ると、多少の揺れが出ます。


フィヨルドは氷河の作った地形。このクルーズのハイライトは、三日目、その氷河を間近に見られることです。航路となる海峡から、湾に少し入り、至近距離まで接近してくれます。


氷河は思っていた以上に青いです。水色くらいかと思っていましたが、はっきりと濃い青です。


氷河は生きており、時折崩落します。その轟音たるや、凄まじい迫力です。


午後5時頃、フィヨルド地帯も奥地、プエルト・エデンという小村に寄港します。




他のどの町とも陸路で繋がっていないこの村には、道路というものはなく、唯一木製の桟橋が歩道となっています。フェリーは週一便。世界でも、最も辺鄙な所にある村の一つでしょう。


ちなみに、下船するにはこの艀に乗るのですが、これが往復5000ペソ≒1000円します。この距離で、まあ随分といい商売ですね。


4日目、いよいよ南緯50度を越えます。植生も乏しくなり、山頂には氷河も見えます。


南緯52度の最南地点。ここから北東に、プエルト・ナタレスはもうすぐです。



いよいよ終点のプエルト・ナタレス。荒涼とした大地に、ぽつんとある港町です。

三泊四日は、思ったよりあっという間でした。景色はあまり変換しないので、暇な時間は多いのですが、ガイダンスや観光案内があったり、本を読んだり、のんびり過ごせていい時間でした。


また、食事は三食出ておかわりし放題。決まった時間に自動的に食事が出て、お腹いっぱい食べられるというのは非常に快適です。ちなみに、こんな感じ。




あと、ジュースも常時飲み放題です。これはかなり素晴らしい。


シャワーも熱いお湯は出ます。寝台は、私が乗った一番安いので、開放の二段ベット。寝るだけなら特に問題ないです。ライトとコンセントもあります。

こんな感じで、最後には降りるのがめんどくさくなる快適船旅でした。運賃は食事等全込みで420米ドルです。Navimag Ferryのホームページでチケットは買えます。欠点は、お座敷のようなスペースが無いので、ゆったりゴロゴロできる場所がないことですかね。そのへんは、日本のフェリーのほうが快適だなと思います。

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